2013年 11月 23日
使命感を持つ・・・
「SONG」。1人の歌手の音楽的な背景を映像でたどりつつ代表曲を聞かせる。
今夜はユーミンこと松任谷由美だった。
ゆかりの地を訪ね、来し方を振り返り自分の音楽的根源をたどる映像と
その時代に作った代表的な曲のスタジオ演奏。
思い出の地(お茶の水)で青春時代の自分を振り返り、
また今も憧れを持ち続ける地(パリ)で自分に影響を与えた人物の足跡をたどる。
その途中で感じ発してゆくことばが、
素直でうそがなく聞こえ、とても好きだった。
20代の頃からずっと「あの声、歌い方が嫌い」と、
周りが聴き歌いしているなか
近寄らなかったユーミンの歌
自分にも当てはまるような歌詞には、やられた~と感嘆するが、
ポップなアレンジや鼻にかかった声や響かない発声が苦手だった。
ところが今改めて聞くと心にすんなりと届いてくる。
「ひこうき雲」と「シャンソン」という新旧の2曲の歌詞が
一言の無駄もなくイメージを積み上げ、
そぎ落とした美しさをもっていると感じられる
誰もが知る「ひこうき雲」は若くしていった友人へのレクイエムで、
新曲「シャンソン」は賛歌だそうだ。
やさしい身近なことばで深いところに届いてくる歌詞に脱帽。
その歌い方も声と声量から自分がこれを伝えるには
「これしかない」と方法を選びぬいてきたかに聞こえる。
歌を送り出す人として生きる、その使命感を感じた。
もうひとつはETV特集の再放送
「左手のピアニスト」智内威雄(ちない・たけお)氏のドキュメンタリー
観るつもりなくテレビをつけていたら
耳が持っていかれてしまった。
将来を嘱望されるピアニストが
左手だけしか使えなくなってめぐり合ったとはいえ、
それが幸運な出会いであるとしか思えないような
その後の氏の歩みの進め方に敬服する。
左手のためにだけかかれたピアノ曲が、
純粋さと激しさにあふれていて本当に素晴らしかった。
久しぶりに生で聞きたい音楽をみつけた。
埋もれてしまう左手のための楽曲と、
左手だけしか使えなくなったピアノ演奏者をつなぐプロジェクトを始めた
智内威雄さん。
「超えるものなら(私を)超えてみろ。
自分がハードルを高くしておけば彼らがより高みをめざせる」と語る。
精力的な活動は「道」を感じる、
氏いわく「一生をかけるだけの価値ある」音楽の道・・・
使命感のある人はブレないだろう。
コンサート行って同じ時を味わってみたい。
by tararankeiko
| 2013-11-23 03:52
| ただ、いま(多田の今この時)